【書籍】本物の知性を磨く、社会人のリベラルアーツ【知識拡充】

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最近よく耳にするリベラルアーツについて学んでみようと本書を手にしました。

勿論、リベラルアーツという言葉自体は以前から存在し、私が最近知っただけの事で、決して新しいモノではないです。

では、リベラルアーツとは何か?ということを、この言葉を初めて聞いた方の為日本語で説明すると、「教養学」を示す言葉です。

しかし、教養学と聞くと大学の学部生で学ぶ一般教養のようなイメージとをしてしまうと思うので、実際は、特定の学問領域を示さない、存在学問全ての集合体として考えて頂いた方が合点がいくと思います。

私が学生のころは、学際という言葉が流行っていて、それは学問の”きわ”を意味し、ある学問とある学問が交わる領域にイノベーションがあるとされていました。

例えば、生物物理化学のような学問が混ざり合っている部分です。

しかし、リベラルアーツはそれを大きく超えた学問領域を示します。

しかもその歴史は古く、紀元前からある学問思想です。

当時は、領域も定められており、言語に関連する文法学、論理学、修辞学の三学と、数学に関連する幾何学、算術、天文学、音楽の四科からなり、これを総称して自由七課とも呼ばれていまいしたが、現在では、そのような縛りはなくなり、寧ろ学問全域と呼べるかも知れません。

少し前置きが長くなってしまいましたが、本書はこのリベラルアーツついて、リベラルアーツ研究家の麻生川静男氏によって書かれた書籍です。

まず、そのような研究家がいることに驚きましたが、内容はとても興味深いモノでした。

構成としましては、下記の通りです。

第一章の「リベラルアーツとは何か」
第二章の「世界観・人生観は歴史書に学ぶ」
第三章の「ものづくり日本はどこへ行くのか?」
第四章の「ヨーロッパ文化圏のコアを探る」
第五章の「ヨーロッパ、イスラム、インド、中国、朝鮮の文化のコア」
第六章の「ギリシャ語・ラテン語を学ぶ」

本書は一貫して、歴史書に基づいたてリベラルアーツについての思想を展開をしています。
これは、本書でも取り上げられている。ビスマルクが言った言葉である「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」を体現しているようです。しかし、筆者曰く、実際のこの言葉のニュアンスは少し違うそうです。

それでは、私が感じた、本書で述べられていることで印象深かった内容を紹介します。

1つ目は、日本人はアナログ基質で、西洋人はデジタル基質だということです。

このことについて、筆者が引用した事例は、日本人は風呂敷を使用していたが、西洋人はカバンを使用していた。また、日本人の建屋は引戸が多かったが、西洋人の建屋は観音扉であったことを例示しています。
つまり、日本人の風呂敷や引戸は、状況に合わせて大きさや開閉度を制御できますが、カバンや観音扉は大きさが決まっていたり、開いている、閉まっている、と状況がオンとオフで表現できることを意味しています。

このことが、直接関係しているかわかりませんが、日本人は細かい作業は丁寧で精巧だが、大きな枠組みを作るのことが弱点であるとも述べられています。

実はこのことは、生産性という意味では非効率になってしまいます。何かパッケージングのソフトを導入するとき、西洋人はそのソフトの仕様に自らの仕事を合わせようとするが、日本人は自らの仕事にソフトを合わせようとして、折角のパッケージングソフトにオプションを多くつけて結果として多額の投資が必要となってしまうとのことです。この点は、激しく共感しました。

2つ目は、日本人の自由への渇望が弱いことです。

西洋人は自由に対して、とてもどん欲だとうことです。良く耳にすると思いますが、ヨーロッパの人はバケーションとして長期の余暇を過ごす、そのために働いており、この自由が奪われるのであれば仕事をやめるという話です。

その他にも、どんなに小国で国益に影響しよとも自国の独立を第一優先に考えたり、永世中立国でも軍はしっかり持ったりなど、そして、ブレクジットが示したように、自国の自由が奪われそうになれば、大きな枠組みからも抜けるという、常に、自由こそが第一優先で存在価値であることを示しています。

しかし、日本は戦後70年以上たった今でも軍を駐留させています。確かに、近隣諸国からの圧力が強いため、そのことを考慮した対抗策とも考えられますが、もしこれが西洋人であれば、自国の力で全てを退ける為にどうするかを考えて行動していると思います。

それは、西洋人にとって、それこそが第一優先の思想だからです。

最後にとにぃの感想

本書のさわりの部分の紹介になりましたが、歴史の内容であったり、言い回しも難しい表現があったりしましたが、意外とスラスラ読める書籍だったと思います。

そして、一番驚いたは著者の膨大な知識です。

リベラルアーツ研究家だけあって、著者自身がリベラルアーツを体現していると感じました。

本書に出てくる歴史書は、おそらく、ほとんど目を通されていますし、欧州、中国など幅広い分野の歴史書を読んでおり、中には一年かけて読んだ書籍もあるとのこと、この知識が十分に盛り込まれた書籍だと思います。

また、リベラルアーツを学ぶ理由については、社会人に限定することなく、誰にとっても学ぶ価値がある、というよりも、学ぶ必要のある学問であると感じました。

勿論、得意不得意や関心のある分野やそうでない分野など人によっては様々ですので、何でも取り得れることは難しいですが、少なくとも言えることには全ての学問に歴史ありです。間違いなくどの学問にも始まりがあり、色々な変遷を経て今の形になっています。この何故、この学問はこのよう体系なのかを学ぶことは、その学問を深く知ることに繋がります。

従って、リベラルアーツを学ぶというよりも、リベラルアーツとは何かを感じ取れたので、今関心のあることの垂直展開、水平展開、過去、未来予測を多角的に学んでいきたいと考えています。

もし、リベラルアーツに興味がでた方は是非ご一読下さい。誰にとっても役立つと思います