【書籍】現代のリベラルアーツとは何か:よりよく生きるための「知の力」【知識拡充】

Books
スポンサーリンク

前説

今回もリベラルアーツ関連の書籍です。

本書『現代のリベラルアーツは何か:よりよく生きるための「知の力」』は、テンミニッツTVというwebサービスの中の人気講義をまとめた書籍とのことです。

リベラルアーツというキーワードで書籍を探しているなかでヒットした書籍ですので、テンミニッツTVというコンテンツについても、今回、初めて知りました。

折角なのでテンミニッツTVのサイトを少し拝見させて頂きました。

当該サイトのコンセプトは講師陣が10分という短時間で複数回の講義を行い、短時間で集中して情報を得ることを考えいているようです。

しかも、大学教授の方々が名を連ねており、権威性や情報の密度は高いように感じました。加えてビジネスパーソンや政治家の名前もあり、とても濃いコンテンツとなっています。

さらに、ジャンルも政治金融・経済国際ビジネス・経営社会・福祉教育医療環境・資源科学技術文化・芸術哲学・思想歴史・民族と、とても幅広く、このサイト自体がリベラルアーツであると感じました。

少し、テンミニッツTVの宣伝のようになってしまいました(笑)


さて、本書の中身ですが、テンミニッツTVに出演されている6名の講師の講義内容をまとめたもので、スタイルはインタビュー形式のような記載になっているので、とても読みやすいです。

そして、本書の6名の講師は下記の通りです。

柳川 範之 氏 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授
岡部 徹氏 東京大学副学長/東京大学生産技術研究所教授
田口 佳史 氏 東洋思想研究者/株式会社イメージプラン代表取締役社長
小宮山 宏 東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所理事長/テンミニッツTV座長
曽根 泰教 氏 慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツTV副座長
島田 晴雄 氏 公立大学法人首都大学東京理事長/テンミニッツTV副座長

次いで、本書の目次は以下の通りです。

第1章 いま求められる「教養」そして「経済学的発想」とは
第2章 透明な氷の秘密―科学的思考はなぜ大切か
第3章 人生を「成功」に導く東洋思想の叡智
第4章 「イノベーションのジレンマ」からの脱出
第5章 いま政治のどこに本当の問題があるのか?
第6章 「スタートアップ・ネーション」イスラエルの真実

本編

それでは早速、本書の内容についてですが、この中でも印象残っている3つをご紹介します。

1つ目は、現代教育に対して疑問を呈した発言で下記のような内容です。

今の教育は、テストで良い点を取ることに注力しているため、テストのテクニックが教育の現場で教えられている。つまり、テストにおいて簡単な問題を先に解き、余った時間で難しい問題を解くということです。

確かに、テストで少しも得点を伸ばすことを考えれば、この方法は有効だとは思いますが、教育としては如何なものかと考えいます。

百歩譲って、学習塾で教える分には構わないと思いますが、学校教育においては本末転倒のような気がします。

そもそも、社会に出ると簡単な問題よりも複雑で難しい問題が多く存在します。つまり、難しい問題を時間をかけて解くという事が、もっとも身に付けなければならない能力になります。

それにも拘わらず、学校の教育現場では、こういった指導になっています。もちろん、全ての学校や教諭がそのように指導しているとは思いませんが、この辺を是正していかないと、グローバルに活躍できる人材は育ちにくいと感じます。

2つ目は、この情報化社会のなかで全ての事柄に精通している必要はないということです。

本書で紹介されていた事例で、

ある学術論文の投稿雑誌に同じ内容の研究成果を、時期をズラして投稿したそうですが、その時の論文の中身を審査する査読官のほとんどが同じ内容の投稿であるとは気づかなかったそうです。

また、近年の学術学会は細分化されていて、よりミクロな議論を行うコミュニティーの場となってきています。

その細分化された、より専門性の高い研究内容に関して、全ての分野を網羅的に深く理解できている人は、最早いないと考えた方がいいということです。

しかし、何かコトを始めようとする際に、専門的な内容を必要とする場面は多く存在します。

この時に必要な能力というのが人脈ネットワークです。

ある特定の分野について深く知っていなくても、この分野を深く知っている専門家を3から5人、名前を挙げることができれば、その分野の能力をもっていることと同義であると考えることができます。

確かに、私も直接的に物事を覚えるよりも、こういった方法をとれば知りたいことを知ることができるので、1つのことに使われる「記憶労力」は少なくて済むと考えていました。

さらに、最近では、その方法がGoogle検索であることが多いと感じています。いわゆる「ググる」ということです。

因みに、「ググる」は日本語ですが、英語でも「Google it」と言うらしく、いち企業名が動詞になっているそうです。

しかし、Googleへの依存度が大きいというの懸念事項であるとも考えています。それは、情報の正確性が低い場合もあるからです。さらには、Googleの意図も反映されていると感じているからです。

それに対して、書籍は著者のプロフィールから参考文献まで記載されているので情報の確度が高いと考えれます。

ですが、最終的には、個人の人脈ネットワークとして、そのジャンルに精通している人にリーチできることが、最も有効な手段であることは疑う余地がありません。

最後の3つ目は、イスラエルの凄さについてです。

今、イスラエルはスタートアップ・ネーションとして知られているそうです。恥ずかしながら、本書で初めて知りました。

スタートアップ・ネーションは、直接的な訳はないと思いまうが、イメージとして起業家民族のような意味あいだと認識しています。

そして、イスラエルのスタートアップ企業は、人口当たりで比較するとアメリカよりも断然多いそうです。

しかも、その成功確率が1/5程度あるそうです。

私は、本当ですか???と疑いましたが、理由をみて納得しました。

ここでの成功者の定義は、必ずしも一度の企業での成功を示しているのではなく、数回、挑戦した結果の成功者の割合だそうです。そのこともあって、成功確率が高いのは2、3度失敗した人達が多いそうです。

この内容をみてふと思いだしたのが、「負けない秘訣は勝まで続けること」です。確かに、雨が降るまで踊り続ければ、その踊りを踊ることで雨が降ることになるので、絶対的な雨乞いの踊りが存在するのです。

いや、それでも、よくよく考えていみると20%の人が成功するというのは高い確率ですね。

そして何より、ここで最も重要なことは、2、3度失敗しても許容される社会にあると考えます。

つまり、リスクを取って挑戦できる社会環境作りになると思います。

この辺は、マインドの問題ということで片付けられてしまいそうですが、やはり、環境や社会的ムードはあると思います。

ずば抜けた能力とメンタルがあれば良いですが、そのような特異な人は少数派だと思いますので、社会環境の整備から、起業文化へと愚直に進めて行くしかないと感じます。

より詳しく読みたい人は、是非。